花まつりはお釈迦(しゃか)さまのお誕生を祝う、灌仏会(かんぶつえ)の別名なんだよ。

お釈迦さまが生まれた日といわれる4月8日は、日本でちょうど桜の花が咲く季節だから、「花まつり」って呼ばれるようになったんだあ。

花まつりでは右手の人差し指を天に向けて立つお生まれになったお釈迦さま像に甘茶をそそぐんだよ。なんでだろうねえ。

その秘密をぼくが今から読むお釈迦さまの誕生物語で教えてあげるよお!

お釈迦さまは遠い昔のインド北部付近、今のネパールのルンビニという場所でお生まれになったんだよ。

お母さんの名前はマーヤさん。お父さんはシャカ族の王様、浄飯王(じょうぼんおう)でした。ということは、お釈迦さまはシャカ族の王子さまだったんだねえ。

マーヤさんはお釈迦さまを身ごもるときに、白象がお腹に入っていく夢を見たんだって。あるお寺さんによっては花まつりに白象が飾られているのはそのためだよ~。

そのお釈迦さまを身ごもったマーヤさんが、ルンビニを通りかかったときに、急に産気づいてお釈迦さまをお産みになったんだよ。

そのときに産湯の代わりに龍が甘い露をお釈迦さまに注がれたと伝わるんだよ。龍神さまも喜んだということなんだろねえ。それが甘茶をそそぐ由来になったんだよ。

さらには、言い伝えによるとお釈迦さまはお生まれになられてすぐに7歩進み、右手人差し指を天に向け、「天の上にも下にも私(=生きとし生けるもの、個々の一人ひとり、一つひとつ)は尊いものなのです」(天上天下唯我独尊・てんじょうてんげゆいがどくそん)と言われたんだってえ。ぼくもきみも、小鳥さんもワンワンさんも、虫さんもお花さんも、みんなみんな尊くかけがえのない一人、一つなんだねえ。

だからぼくは、みんなが大好きなんだあ!

おたがいが尊くかけがえのない一人として、みんな仲良くしようねえ!